はじめに
概要
この記事では、Cosmosブロックチェーンのウォレットの作り方をお伝えしています。
多くの方は、決済や投機、資産運用のために暗号通貨をもたれることが多いのではないでしょうか?
ウォレットを作ることで、仮想通貨の自己管理や決済、資産運用、低い手数料での通貨両替(スワップ)ができるようになります。
初心者の方は、GMOコインなどの取引所で通貨を保有している方も多いと思います。
でも実は、取引所で円や通貨持っていることは株で言うとお金を証券会社へ預けているのであって、自分のお財布で管理をしていないということを知っていましたか?
取引所で管理していることは悪いことではないのですが、取引所の倒産で資産が回収できなくなってしまったり、ハッキングによって資産が盗まれてしまったりなどのリスクがあります。
そして、ウォレットで管理すると、取引所が提供する資産運用よりも高利率で資産運用ができるようになりますよ。
自分で運用する(高利率)か投資信託のように取引所に運用してもらう(利率から運用手数料率を引く)かの違いですね。
ここの違いと把握しておかないと年利20%ほどもらえるのに年利5%で運用しているなんてことも起こってくるので、しっかりと理解して賢く資産運用をしていきましょう。
それでは、仮想資産運用の始め方シリーズ 「Cosmosウォレットの作り方」をみて、実際にウォレットを作っていきましょう。
この記事・シリーズは、こんな方におすすめです。
・ このシリーズを読んだ方がいい方
この記事は、こんな方におすすめです
- 仮想通貨の運用の仕方がわからない方
- 仮想通貨で高利率運用をしたい方
- 仮想通貨の資産運用全体を知りたい方
- 運用の銘柄選びに迷っている方
- インカムゲインを狙っていきたい方
・ このシリーズを読むと得られるもの
上記に当てはまる方は、このシリーズを読むことで以下の5つを確実に得られます。
- 仮想通貨の運用の仕方がわかります。
- 高利率の資産運用ができるようになります。
- 誤送付・誤操作などでの資産消失のリスクを回避できます。
- 手数料を格段に安くして運用することができます。
- 仮想資産運用をスムーズに始められる。
前回の記事
以下の前回の記事では、仮想通貨Atomの「購入の仕方」をお伝えしました。
ここからの「仮想資産運用の始め方」シリーズでは「Cosmosウォレットの作り方」から始まり、そしてシリーズの最終にはインカムゲインを資産運用で得て、口座出金する出金の仕方へとステップを踏んでご紹介していきます。
まだ、GMOコインで仮想通貨 Atomを購入していない方は、上記記事で通貨購入の仕方をご紹介しているので、ぜひ見ていただければと思います。
§1 なぜウォレットを作るのか?
まず初めに、なぜブロックチェーンウォレットを作る必要があるのか?
GMOコインなどの取引所に預けたままでもいいのでは?と思われると思いますが、ブロックチェーンウォレットで資産を管理することで得られるメリット、そして回避できるリスクを知っておかなければいけません。
それでは順番に見ていきましょう。
高利率で資産運用ができる
仮想資産のインカムゲインを得る資産運用としては、「レンディング」と「ステーキング」です。
GMOコインでの取引所上で仮想通貨の資産運用を行う場合は、「レンディング」でインカムゲインを得ていきます。
自分のウォレットで資産運用を行う場合は、「ステーキング」でインカムゲインを得ていくことになります。
・レンディング運用
レンディングは、取引所が取り扱っている銘柄の通貨を取引所に貸し出し、取引所が運用することで報酬が発生するという運用方法です。
あなたがまずは通貨を買い、その通貨がレンディングを受け付けている通貨であれば取引所へ貸し出し、貸出利率での賃借料を得ることができるのです。
GMOコインでAtomをレンディングした際の年間利率を見てみましょう。
2022年11月現在の利率は以下のとおりです。
貸し出し期間が「3ヶ月コース」と「6ヶ月コース」とあり、年利はそれぞれ「5%」「10%」となっています。
そして注意点は、ここでの運用コースの利益は単利になっています。
また、貸出期間中での途中解約の場合は、解約手数料が発生し、賃借料は支払われないというものになっています。
このように、取引所上で資産運用をする場合は、このレンディングで運用をしていくことになります。
それでは、次はウォレット上で資産運用をしていく「ステーキング」についてみていきましょう。
・ステーキング運用
ステーキングは、ブロックチェーン上に通貨を保有していることに対して利益が発生する運用方法です。
これは、取引所上で保有しているだけでも発生します。
これは本来、あなたがブロックチェーンウォレット上に通貨を保有し、ブロックチェーンを操作するバリデーター(運営委任者)にデリゲート(ブロックチェーンの維持や承認・運営の委任)を行うことでステーキング報酬が得られるというものです。
これにももちろん年利がありますので、取引所・ブロックチェーンウォレットでのステーキング利率をそれぞれ見ていきましょう。
2023年1月現在でのブロックチェーンウォレットの年間利率は以下になっています。
続いて、仮想通貨取引所「GMOコイン」のステーキング利率は、以下の通りです。
デリゲートすることによって、ブロックチェーンウォレットは年利20.65%で、GMOコインでは6.96%のステーキング報酬を得ることができます。
ウォレット管理したほうがより高利率で運用できます。
そして、毎月ステーキング報酬を得ることができるので、毎月得た利益を受け取る度にデリゲートをすれば複利で運用ができます。
この利率は、銘柄によっては上がったり下がったりするのですが、Atomに関しては私が運用し始めた12ヶ月前から毎月のように上がり続けています。
また、レンディングと違い「貸出期間の縛りがない」ことや「途中で解除した場合報酬が支払われない」ということはありません。
ですが、Atomに関してはデリゲート解除申請してからステーキング解除まで21日間かかる点のみ注意が必要です。
高利率で運用するならウォレットで資産運用
以上のように取引所上では「レンディング」、ウォレット上では「ステーキング」と資産運用の違いがあり、ウォレットでのステーキングの方が高利率で運用できることがわかりました。
レンディングの10%運用と、ウォレットでのステーキングの20%運用だと、運用利率は2倍なのでこの差はとても大きいですね。
数字でまとめておくと...
[Atomを100枚保有 Atom 2000円/枚]
・6ヶ月運用した場合の違い
- レンディング [6ヶ月コース 10%運用] 単利
6ヶ月間の累計報酬 4.9589Atom
=円換算 9917.8円
- ステーキング [6ヶ月運用 20%運用] 複利
6ヶ月間の累計報酬 10.4256Atom
=円換算 20851.2円
ステーキングの方が、+10933.4円得しています
初めの6ヶ月間だけみても、これだけの差があります。
これが長期投資だと2周目、3周目と周を重ねていくので、長期で見ればものすごく大きな差が生まれるのは想像ができますね。
このように資産運用を賢く行っていくためにも、ブロックチェーンウォレットで管理することのメリットをお分かりいただけたのではないでしょうか?
次は、資産を守るメリットについて触れていきましょう。
取引所がハッキングされた際のリスク回避
過去に取引所を狙ったハッキングにより仮想資産が盗まれてしまったというニュースを見かけます。
有名な取引所では、2018年1月26日の取引所「Coincheck」のハッキング事件や2022年10月7日の取引所「Binance」のハッキング事件がありました。
取引所は決してセキュリティが脆弱というわけではなく、むしろ強固です。
ですが、ハッカーは大規模な組織集団とも言われており、そのような集団が同じ労力をかけるなら個人と取引所どちらを狙うかと考えると、当然多くの資金が集まっている取引所を狙いあの手この手と仕掛けてくるでしょう。
そういった取引所というリスクが集まりやすい場所から、個人で所有するブロックチェーンウォレットのリスク数が少ない場所へ移動させ・管理することでリスク回避ができます。
また、個人のブロックチェーンウォレットは秘密鍵がついています。
この秘密鍵となる十数個のワードを他の人に教えることや漏洩がないようにして、セキュリティ管理もしっかりしていれば資産を守ることができます。
秘密鍵は、PC内でのデジタルデータとして管理することもできますが、よりセキュリティーを強固にするのならPC保管を避け、秘密鍵を紙に印刷して管理することをおすすめします。
私にとって、いくらセキュリティーが万全なPCでもPC内で秘密鍵を管理しているのは、玄関内に金庫の鍵をかけて保管しているのと同じだと感じます。
なので、秘密鍵は必ず紙で印刷したもので管理し、必要になったら手打ちで入力していきましょう。
取引所が倒産した場合の回収不能リスクの回避
最近あったニュースでは、仮想通貨取引所 「FTXの破産」です。
FTXは、大元の会社であることからそのグループ会社など130社を含めての大規模な破産申請を行いました。
暗号通貨交換業大手のFTXトレーディングは2022年11月11日、同社のほか、信用不安の引き金となった投資会社アラメダ・リサーチや米国法人など約130のグループ会社が日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請した
「仮想通貨交換大手FTXが破産法申請」(記事 レター文 1文目)
取引所が破産するパターンは、主に3つです。
①仮想通貨がハッキングなどによって破壊・暴落させられた場合
②取引所がハッキングを受け資産流出してしまった場合
③運営状態・資産管理の杜撰さが原因、または露呈した場合
FTXに関しては、③の「運営状態・資産管理の杜撰さ」が破産の原因でした。(参考記事「再び激震が走る暗号資産(仮想通貨)市場:大手取引所FTXの破綻懸念」)
これにより他の取引所では、運用資金と顧客資産とは別で管理をしているなどを発表など、信用を得るための対応を実施することになりました。
このように取引所が破産してしまうと、取引所に預けた暗号資産の凍結だけでなく、預けていた円すらも出金不能になってしまいます。
また、破産してしまった後での資産の回収は困難を極め、最悪の場合資産を失うこともあります。
こうしたリスクも十分にあるわけですが、個人のブロックチェーンウォレットだとこのようなことはありません。
仮にあなたが取引として使っていた取引所が破産してしまっても、あなたのウォレットにある資産は無事です。
そして、取引所も国内外たくさんあるので、あなたが利用していた取引所が倒産しても他の取引所を使うなど仮想通貨を円に替える手段は複数個あります。
このFTXの倒産で資産の出金・回収ができなくなったことで、個人のブロックチェーンウォレットで資産を管理する重要性が明らかになりました。
そのことをハードウェア版のブロックチェーンウォレットを販売する会社Ledger CEOは、ニュース記事で
LedgerのCEOのパスカル・ゴティエ
「破綻寸前の暗号資産取引所FTX、その危機の裏側と業界への余波」(記事下部から1文目)
「セルフカストディ(暗号資産を購入後、自分でウォレットなどを用意して保管すること)にしない限り、自分の暗号資産を自分で保有していることにはならないのです」
といっており、
今回またもや危機が起きたことで、資産を取引所に預けておくべきではないことが明らかになった
「破綻寸前の暗号資産取引所FTX、その危機の裏側と業界への余波」(記事下部から2文目)
と指摘しています。
FTX以外でも、2022年7月29日 仮想通貨取引所「Zipmexの破産」や2017年12月19日 仮想通貨取引所「ユービットの破産」などがあり、これらのリスクを考えると、取引所管理が私がオススメしない点が十分理解していただけたのではないでしょうか?
このことを踏まえ、ではどうやってブロックチェーンウォレットを作るの?という方へ向けて、「ウォレットの作り方」をお伝えしていきます。
それでは早速みていきましょう。
§2 Cosmosウォレットの作り方
ウォレットの作製・管理は、ブロックチェーンウォレットアプリ「Keplr」を使って行います。
Keplrについて軽く触れていきましょう。
ウォレットアプリ Keplr(ケプラ)について
Keplr(ケプラ)は、「Cosmos」「Osmosis」「Juno」などの複数のブロックチェーンウォレットを管理できるウォレットアプリです。
セキュリティーは、ウォレット作製時に表示される数十個のワードからなる秘密鍵で厳重に管理されています。
なので、第三者があなたの財布の中身を触るためには、"あなたのスマフォ"で顔認証機能を突破するかパスワードを入力して突破するかしかありません。
その他に、他の端末や外部からKeplrを使ってあなたの財布を触るためには数十個のワードからなる秘密鍵に加えアカウント名、そしてアカウントパスワードを入力するしかありません。
数十個のワードは、英語のワードからなり判別が極めて困難なワードの配列です。
この厳重なセキュリティーがあるウォレットアプリで資産を管理することが、上記に挙げたリスクを回避できるのです。
また利用者も70万人(2022年11月時点)と多く、Cosmosブロックチェーン公認のウォレットアプリとしても承認されています。
Keplrのことがわかったところで、では実際にKeplrを使ってブロックチェーンウォレットを作っていきましょう。
ウォレットアプリでウォレット作製
まずは、スマホにアプリをインストールしていきましょう。
Keplr公式サイトより、iPhoneの方はiOS版、Androidの方はAndroid版をインストールしていきましょう。
こちらにアクセスすると、以下の画面が表示されます。
あなたのスマフォに合わせて「iOS版」「Android版」をタップしていきましょう。
タップすると以下のどちらかの画面になると思います。
ここで「入手」や「Install」ボタンをタップして、インストールしていきましょう。
インストールできたらホーム画面で「Keplr」をタップしてアプリを起動させましょう。
起動させたら以下の画面になると思います。
画面が表示されたら、①「新しいウォレットを作る」をタップします。
その次に表示される画面で、②「新しいニーモニック(秘密鍵)を作る」をタップ。
※作る選択肢で「アップルアカウント」「グーグルアカウント」がありますが、セキュリティー性が落ちるためここでは選択しません。
②をタップすると次に秘密鍵が表示されます。
この秘密鍵を必ず③「コピーする」をタップして紙に印刷をし、絶対に無くさないように厳重に保管しておきましょう。この秘密鍵を紛失するとウォレットが開けなくなります。
またあなた以外の人に秘密鍵を教えることもしていけません。
この鍵はいわば金庫の鍵ですので、注意してくださいね。
秘密鍵を紙に印刷したら「ウォレットの名前」「ウォレットのパスワード」「パスワード確認」を入力して④をタップしましょう。
そうしたら、最後に秘密鍵の確認画面になります。
画面下の青色で並べられているワードをタップして、秘密鍵の順番通りに空欄を埋めていきましょう。
しっかり並べられたら、⑤をタップ。
⑤をタップすると、「あなたのウォレットが作成されました」という趣旨の文章が、コスモスブロックチェーンの世界観満載で英文で表示されています。
そのまま「Done(完了)」をタップすると、ウォレット作成完了です。 お疲れ様でした。
次の画面がいよいよあなたのブロックチェーンウォレット画面になります。
ウォレット画面の説明
ウォレット画面を上から順に説明していきましょう。
「あなたのウォレット名」
=あなたが決めたウォレットの名前が表示されています
「あなたのウォレットアドレス」
=あなたのブロックチェーンウォレットアドレスです。ブロックチェーンのウォレットは全てアドレスで管理されています。右の四角のマークをタップするとウォレットアドレスをコピーすることができます。
「Total Balance(=あなたの現在の銘柄保有資産額)」
=あなたの仮想資産銘柄の資産総額がリアルタイムの時価で表示されています。初めは米ドル表記ですが、この後に円表記に変更していきます。
「Available(=あなたが利用できる暗号通貨枚数)」
=あなたが動かせる通貨の枚数が表示されています。基本、あなたの財布に入っている枚数だと思ってもらって大丈夫です。
「Staking(=あなたが委任している暗号通貨枚数)」
=あなたが資産運用としてバリデーター(ブロックチェーンの運営を任せている人)に預けている通貨の枚数が表示されています。
「My rewards(=あなたの現在のインカムゲイン枚数)」
=バリデーターの委任することによって得たインカムゲインがリアルタイムで表示されています。
「Total Staking(=あなたの委任している暗号通貨総数)」
=委任している通貨の内訳として、委任中の枚数が表示されています。
「Total Unstaking(=あなたが委任解除申請中の暗号通貨総数)」
=委任している通貨の内訳として、委任解除申請中の通貨の枚数が表示されています。Atomは解除申請してから解除まで21日間かかります。
「Governance(=ブロックチェーン運営方針投票受付一覧)」
=本来委任したバリデーターが行なってくれるブロックチェーン運営方針の投票一覧が見れます。投票タイトルをタップすることで詳細が表示され、詳細画面からあなた自身で投票することもできます。
以上がホーム画面の説明でした。
次は、「あなたの現在の銘柄保有資産額」を米ドル表記から円表記へ変える変え方を説明していきます。
資産表記を円表記へ変更
最後に、「Total Balance(=あなたの現在の銘柄保有資産額)」を米ドル表記から円表記への変更していきましょう。
ホーム画面の⑥の歯車マークをタップして設定画面を開きます。
設定画面を開くと、⑦の「通貨」がUSD表記になっていると思いますので、「USD」をタップして「JPY」を選びタップ。
すると以下の画面のように、⑦の「通貨」がJPY(円)表記に変更になります。
ここでホーム画面に戻りましょう。
戻ると、「Total Balance(=あなたの現在の銘柄保有資産額)」が「¥」に変わり円表記になっているのが確認できますね。
これで、コスモスブロックチェーンウォレットの作成と設定が全て完了しました。
お疲れ様でした。
これで資産運用ができる準備の部分ができました。
次の記事からは、実際に取引所で買った通貨をウォレットへ送金していきます。
この送金ができないと資産運用ができないので、しっかりマスターしていきましょう。
それでは、この記事のまとめです。
§3 ウォレット作製のまとめ
- ウォレットを作るメリット
- 高利率の資産運用ができる
- 20%前後の年利でインカムゲインを得ることができる
→取引所管理の資産運用はレンディング(年利5%-10%)
→ウォレット管理の資産運用はステーキング(年利20%)
- ハッキングによる盗難回避
- ウォレットは、取引所よりもハッキングリスクが少ない
- 取引所倒産による資産消失回避
- 取引所管理ではなく、自分で管理することで資産消失リスクを避ける - ウォレット管理
-ウォレット作製は秘密鍵作製で作る
- 「Appleアカウント」「Googleアカウント」で作成すると、セキュリティー面でオススメしない
- 秘密鍵
- 紙に印刷して厳重管理。絶対紛失しないように
- 他人には絶対「言わない」「見られない」「触らせない」 ※秘密鍵はあなたの金庫の鍵です。
[ステップ2] GMOコインからウォレットへの移し方
ここまでで、「仮想通貨 Atomの購入」「Cosmosウォレットの作製」ができました。
次のステップでは、購入したAtomを高利率で資産運用をし、インカムゲインを得ていくためにウォレットに資産を移していきます。
資産運用もあなたのお財布に入っているお金でなければ運用できません。
その移し仕方をお伝えしていきます。